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2016-12-15

気候変動を何となく感じた今年

間もなくクリスマスや新年を祝うメロディーが流れる季節となりましたね。
毎年、思いもよらないことに出会いますが、今年も同じような一年でした。今年は、温暖な海域に生息し、東北の三陸沿岸にはいないとされた
イセエビが、岩手県の沖合で捕獲されました。目出度いのかどうか?・・・

私は、自然に係る仕事と健康に係る仕事を続けていますが、もっと楽観的に物事を考えたいものです。人間、極端な欲得をできるだけ忘れることができれば、良い方向に行く可能性も大きくなるかもしれませんね。実際には、人間から欲得、損得を捨てさせることは無理なことですね。素直な感覚を持ち合わせる英知ある若者に期待したいという思いが強くなっている私です。
COP(Conference of Parties/国連気候変動枠組条約締約国会議)などという3文字略語を既に忘れ去ったような先輩方を頼るのは難しいかもしれませんね。本当は、忘れ去った顔をしているだけとは思っていますが、若者の活躍が始まっていると信じています。
だって京都での
COP3は、1997年でしたし、2016年11月のCOP22は、モロッコ・マラケシュで、日本は席を外していましたので、記憶の彼方の話ですね。何せ、人類の経済活動で環境に与える程に温室効果ガスが出されるようになったのは産業革命以降と言われていますので、何とか地球温暖化を本気で防ぐなどという力は、発揮し難いかもしれませんね。
などと大袈裟な書き出しですので、今年の気象関連の話題など振返って、明日への心構えを自分なりに考えることとします。


   《シロクマの不安》
何月で区切っても、今年の世界の月平均気温12ヶ月連続で過去最高を記録のようですので、波及する影響は様々あると想像はつきますね。直接生活と係らない私の遊び、登山の環境の中にいても何かが変化しているように感じています。例えば、学術的なデータがなくても、氷河の山を登れば、何年か前のルートを辿り難いですし、下山路も氷河が後退して落石が多くなっていると感じています。
氷河が後退していることを思えば、
水力発電の源が縮小しているわけですので、意外に近い将来が不安になるのは当然のことですね。電源は、他の策もあるとの声もありますが???

山だけでなく、今年の台風の発生状況を振り返っても、海にも何か変化があるのだろうと感じますよね。専門家によれば、海洋は熱を吸収することで、海水も温暖化しているとのことです。COPの話題がクローズアップされる前から、海水温の上昇により海水が膨張し、海面水位が世界的に上昇しています。海洋は大気に比べて変化しにくいですが、いったん変化してしまうとその状態が長く続くとも説明されていました。説明されても、一般庶民の私などは何もできないわけですし・・・
 
今年の夏は、
台風17号の台湾直撃で玉山を登れずに帰国しました。
玉山國家公園 ウェブサイトでは、「玉山主峰步道4.0、4.7及7.0公里等多處步道之倒木或侵蝕溝,無法通行!」とありました。
でも、登れなくとも荒天のために誰も訪れない博物館では、時間をかけて展示物を鑑賞でき、その後、「ローカル線やサイクリングの旅、お寺巡り等々、沢山の新たな発見を楽しむことができた『時』を得ました。その後、次に発生した台風18号を洋上で追い越して帰国しました。


    《台風直撃の日のプレゼント》
さて、2016年の台風は異例ずくめで、上陸数は6個で、観測開始以来2004年の10個に次ぐ2番目の多さとのことです。上陸は8月と9月のみで、2ヶ月間としては過去最多でした。その中でも、東北の太平洋側は初の上陸でした。その台風による雨量を見ると、北海道上士幌町では、8/16~31の半月間で858.0mm、年間1315.0mmに対して8ヶ月分も一気に降りました。東北でも台風10号で集中豪雨があり、岩手県久慈市では、1時間に80.0mmの観測史上1位の最大雨量が記録されました。
台風が発生するのは洋上です。地球温暖化により海水温の分布や海流が変われば、長期間にわたって気候に影響を及ぼすことになります。さて、来年は、どうなるのでしょうか?

既に雪が舞う季節となりました。思い返すと、今年は、1月24日に南の
奄美市の名瀬で115年ぶりに初雪を観測したとのニュースがありました。1901年2月12日以来とのことでした。海外からは、例えば、7月27日に南アフリカでの降雪、11月23日にはサウジアラビアからの雪景色の写真が配信されました。そして、東京では、11月24日に都心で54年ぶりとなった11月の初雪。さらには11月としての積雪は観測史上初という日となりました。
2016年の世界の気温は、観測史上最高を記録し続けている一方で、今年7月は「世界7大陸のうち6つで夏の雪が降る」という異常な組み合わせの地球をみせています


   《東京の初雪》
目先にある自国の課題のことだけを念頭に対策を練っても効果は、たかが知れていますね。
そして、地球温暖化に係る多くのメカニズムは科学的に解明していますね。その一方で、課題を解決する具体的なアクションとなると、多くの言い訳(?)を連ねるのは、英知があり、功成り名を遂げた「エライ皆さん」のようですが、やはり、交渉事という人為的解決は難しいようですね?

解決するには、将来を担う素直な若者の登場を期待したいと無力な個人として思います。
地球温暖化について信じようが信じまいが、学者の皆さんの積み上げてきた貴重なデータがあろうがあるまいが、自分たちの周辺環境の変化を
動物的感覚で既に捉えているのかもしれませんね。
私は、山登りが好きなのですが、せめて氷河がある程度安定し、予定のルートをたどることが出来る山を見上げたいと思っています。


   《予定では左を辿るルートでした。実際には右になりました》