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2016-10-30

絶滅危惧種_ペルーからのニュースで思いました

環境省は、「日本には、現在わかっているだけで9万種以上もの多様な生きものが生息しています。しかし、その多くは人間の活動によって生存がおびやかされています。これまでの長い地球の歴史の中で、生きものの絶滅は自然に起こってきましたが、現在は、かつてないスピードで、多くの生きものが絶滅しつつあります」、そして、「「絶滅のおそれのある野生生物(絶滅危惧種)」として3,155種がリストアップされていています」と公表しています。
知っていながら、感じていながら止められない、あるいは、止めない、様々な背景はあるでしょうが、地球の同居人として、非力さを感じるばかりです。
あまり嬉しくない話題で気が進まないのですが、一旦、現況を振り返って「夢」へのアプローチができればと思っています。

先ず、絶滅危惧種(英語:Threatened Species、Endangered Species)という言葉は、「絶滅の危機にある生物種のこと」を指します。また、世界の絶滅のおそれのある動物をリストアップした「レッドリスト(正式名称:絶滅のおそれのある種のレッドリスト」は、スイスのグランに本部を置く、IUCN(国際自然保護連合)により発表されている対象です。
一般的に「絶滅のおそれのある野生生物」とされているのは、特に絶滅の危機が高いとされる、3つのカテゴリー(【CR】Critically Endangered、【EN】Endangered、【VU】Vulnerable)にランクされている野生生物です。
この3つのランクは、日本のレッドリストではではそれぞれ「絶滅危惧IA類(CR)」、「絶滅危惧IB類(EN)」、「絶滅危惧II類(VU)」と訳されています。日本においては、環境省がアセスメントを実施し、定期的にレッドリスト・レッドデータブックを公表しています。
たとえば、IUCNのレッドリストでは、昨今各地から被害届が増えているツキノワグマを「【VU】危急種」に指定していますが、日本の環境省のレッドリストでは四国などの一部のツキノワグマ個体群を「絶滅のおそれのある地域個体群」として掲載しているのみです。
また、分類の違いとしては、日本では独立種と見なしているイリオモテヤマネコを、IUCNではベンガルヤマネコ(東アジアに広く生息)の一亜種としていたり、逆にIUCNが独立種として近絶滅種にランクしたオオトラツグミを、日本ではトラツグミの一亜種としている例も見あります。

難しいことは、抜きにして、日本の絶滅危惧種は、次に示す20種類が知られています。

 

世界自然保護基金(WWF)が発表したデータ(脊椎動物約3706種の1万4152の個体群を調査)では、2020年までに地球上全体の3分の2以上の野生動物が絶滅する恐れがあるとしています。詳細は、公表データをご覧いただければ分かりますが、解らないのはその決定的原因ですね。
個体数の急速な減少の原因としては、生息地が失われていることや乱獲、環境汚染、気候変動が挙がっています。WWFの科学者、マーティン・テーラー氏によれば、「間違いなく人類の影響によるものであり新たな大量絶滅の時代に入ったと言わざるを得ない。人類はあまりに多くの資源を使い、あまりに多くの(生き物たちの)生息地を破壊している」と訴えています。私は、素人ながら何となく分った気分になっています。
 
ご存知の方も多いかと思いますが、つい先日(2016年10月18日)のニュースによれば、「ペルー南部のティティカカ湖付近で、絶滅寸前のカエル1万匹が死んだ」とのことです。ペルー環境当局は、早速、原因調査に乗り出しているとのことです。
 

死んでいたのは「ティティカカミズガエル」と呼ばれる大型のカエルで、体重が約1キロに達することもあるとのことです。余った表皮を畳んだような外見が特徴との説明がありました。食用として乱獲されたり、オタマジャクシの段階で外来種のマスに食べられたり、生息環境が破壊されたりした結果、今では絶滅の危機に瀕している生物としてリストに掲載されているようです。
この地域を流れるコアタ川の汚染問題に取り組む団体が大量死に気付き、ペルーの野生生物保護当局(森林野生動物局(Serfor))に通報し、当局が調査した結果、ティティカカ湖に至る約50キロの流域で計1万匹以上が死んだとみられ、カモメの餌になっているのが目撃されました。
当局による調査では、コアタ川では汚泥やゴミが見つかっています。流域(主要都市プノ(Puno))の住民らは、川沿いの街から流れ込む下水が原因だと主張して当局に抗議しています。当局は、米国・デンバー動物園の専門家と協力して原因を突き止める方針だということです。
世界的に見ると、両生類は凄いスピードで減っているようです。例えば、米国では、毎年4%弱の両生類が減り続けているということです。つまり、毎年ということですので、「4% × 20」と単純計算すると、20〜 30年後には、絶滅状態となりますね。

何も海外を見回さなくても、既に報告されている日本の絶滅危惧種の危機の要因の一つとして「水質汚染」を見ると、ジュゴンとニホンアシカは海洋汚染、イシカワガエルとイボヤモリは河川汚染、メダカは水質汚染、イトウは環境汚染などと説明されています。しかしながら、実際には曖昧な説明の一つですね。水生の生き物ですので、海洋汚染、河川汚染、水質汚染、環境汚染は、当然ですし、知りたいのは、その汚染の基ですね。
「ティティカカミズガエル」の大量死の原因は、早い時期に解明できるような気がします。絶滅の危機は、その生物の生息地ある原因があるわけです。そして、その原因を科学的に特定するのは、結構容易と思います。先ずは、主因を取り除くことに着手する努力は早速出来る筈です。
が、出来ていないから、多くの生物がものすごいスピードで消えて行っているのでしょうね。
勿論、そこに人間が係り、地球全体の視点から見ると、複合的な要因があって、解決に多くの時間がかかる筈です。例えば、既によくが知られていた環境悪化、あるいは危惧されていた事象を議論した1997年の京都での世界会議がありましたね。その結果としてCOP3で採択された「京都議定書」は既に歴史遺産のように忘れ去られていますが、さて・・・
忘れ去られても、下段の心配事は、進行していますね。

直接、感覚的に分かり易い環境汚染は心配ですが、「100年後、地球の平均気温は1.8~4.0℃上昇するとのIPCCの公表が2000年にありました。何れにしても、20世紀半ば以降の地球温暖化は人間活動が原因とさている認識は、今では、常識でしょうね。
 


  (出典)
   1 IPCC,2007:IPCC第4次評価報告書作業部会報告書
   2 2004,Nature,443,329-331.(http://www.nature.com)

これからバードウォッチングを楽しむ愛好家も多いことでしょう。
今年の多摩地区での事例ですが、例年の半数の野鳥としか出会えなかったのを思い出しました。さて、来年は、どうでしょうか?
高尾山では、5~6年前までゴジュウカラを目撃していました。私自身は、独特な行動をする様子を目にするのを楽しみにしていますが、最近出会っていません(他の地域では、時折出会っています)。

また、高尾では、今でも珍しくないイワツバメですが、観光客が年間270万人前後も訪れる昨今の施設改善の影響と思いますが、ある場所での営巣が皆無となって数年、若干寂しさを感じています。その場所には、大雑把に数えた記憶ですが、80ヵ所もの営巣を目撃しています。
人間の英知に期待していますが、何とも人の力って大きいものですね。

 

絶滅危惧種の「生息域保全」とか「野生復帰」の努力の意義は理解していますが、やはり、自然の中で出会いたいものです。怖い動物との出会いは、こちらから避けるように努力しますが・・・
徒然なるままに述べてみましたが、老若男女の優しく、賢い今後が楽しみです。