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2016-05-08

⑤ 《アンデスの花》太平洋岸からアンデスを越えアマゾン川源流までの旅

1回の旅をすると、記憶に残る事柄が書き切れない程ありますね。実は、他の地域の旅の話をしたいのですが、今年からリニューアルしたブログの第1回目のテーマとした自転車と登山の旅で出会った話題が多くありますので、⑤として続けることにします。
前回の④では、広いアンデスの大空の下で自由に飛び交う野鳥について紹介させていただきました。今回は、遠い大空の下へ飛んで行けないかもしれない植物、花の話題とします。

植物は、自分では動けないように見えますが、自分自身で種子を飛ばす、あるいは、野鳥等に手伝ってもらって移動することがよく知られている通りです。
ところで、日本では、帰化植物のセイタカアワダチソウ、ブタクサ、アレチノギク等大増殖した例が迷惑な代表例として聞かれます。一方で、在来種のニホンタンポポが、セイヨウタンポポの勢いに追い立てられる事例も聞かされますが、最近では、在来種とセイヨウタンポポのあいだで交雑が起こっており、在来種と外来種の両方の特徴を持つタンポポも見られるようになったようです。植物だけではないのですが、帰化種、外来種、侵略的外来種という用語をよく聞きます。実際には、日本本土の植物(シダ類まで含む)が約4000種、そのうち帰化植物は1200種との説明が多いようです。住んでいる場所が陸地で繋がっている場合、植物自体が住める条件があれば、国境に関係なく高所で再び出会った花が結構ありますが、当然ですよね。一方、島国の日本では、帰化植物があまり良いイメージで語られない場合がありますが、もしかしたら異質な対象に敏感なのかもしれませんね。勿論、今回辿ったペルーのあちこちでエニシダやユーカリに出会えましたが、エニシダはヨーロッパ/北アフリカ、ユーカリは、オーストラリア(タスマニアを含む)とのことですが、既に土地に馴染んでいました。とはいえ、国によっては、増えすぎて迷惑だとのお話も聞いてはいますが・・・


  (ニュージランド(南島)で満開のエニシダ群落)     


  (ペルーでよく見るユーカリ林)


視点を内から外へ移すと、日本から海を渡って世界各国で大きな勢力として拡大している植物があります。例えば、オオイタドリ(大痛取)やスイカズラとは(吸蔓)等は注目の的ですね。植物は、シャイな人間と比較すると、遥かに適応力があるかもしれませね。
前置きが長くなりましたが、何時か機会があれば帰化種に言及します。
 
これから1カ月もするとペルー・アンデスへの旅行シーズンとなりますので、若干の参考になればと思い、以下、トレッキングで比較的出会える可能性が高い花の写真を並べます。沢山の花に出会えますが、それらの紹介は後日とさせていただきます。
先ず、「100年間生き続け100年目に一回だけ花を咲かせて死ぬ」とされることから、「
センチュリープラント」と呼ばれている有名なプヤ・ライモンディ (Puya raimondii)です。パイナップル科の植物で、この植物は一回結実性で、開花するまでは鋭い棘のついた細長い葉を栗のイガのようにつけます。その「イガ」の直径は数メートルほどになります。この植物の巨大な花序は世界的に見ても独特で、どの木も3000の花と600万の種子をつけると言われています。100年前後この姿で過ごした後、全長10メートル程の巨大な花序を突き出し、開花し、開花した後は枯死します。出会えるのを楽しみにしてはいかがでしょうか?

  (花が咲くのを野鳥が待ち望むプヤ・ライモンディ
 

今回辿った地域は、南回帰線の内側にあって熱帯圏に含まれ、海岸砂漠地帯、山岳地帯(アンデス山脈)、森林地帯(アマゾン地域)の3つの地勢に分かれています。したがって、様々な植生を見ることができますが、標高4000m程を越える主なルートでもサボテンに出会えます。もっとも、地を這うような背の低いサボテンです。例えば、写真のFamilia Cactusは、花を咲かせていました。何故か、出会うとホッとしたのを思い出します。

  (アンデスの高地で咲くCactus
 

もっとホッとするのは、寂しがりやの名称もあるFamilia Genciana/Penqa penqaです。天気の良い日は大きく花を彼方此方で開きます。時間があれば、ペンカペンカと声をかけてください。恥ずかしがり屋の意味が分かるかもしれません。

  (トレッキングを楽しくさせてくれるかもしれないPenqa penqa


次に、何処へ行っても出会う花です。Tallwish/Taulli/Tauriとか言った名がありますが、lupinusで十分通じますね。また、分かり易い形をしたMilli milli/Campanitaにも頻繁に出会えます。

(アンデスの多くの場所で出会うlupinus


(探さなくとも出会えるMilli milli


次に触ってはいけない花です。Ortiga macyo/Mula shinuaです。棘があって痛い目にあいます。薬草としてなら、不眠症やストレスも対象となるらしいPassionflowerにも出会えます。次に触ってはいけないはなです。


  (薬草の一つ、Mula shinua
   (薬草の一つ、Passionflower

次に、トマトジャガイモの原種の一つです。食べてはいけませんよ。
 

では、多くの花については、次の機会をご期待ください。
(様々な花の写真ストックがありますので、共有しましょう。)